飛行機に乗っているときも、沖縄でバス移動しているときも、白井くんとは一言もしゃべらなくて、私はずーっと怒っていた。
それでもグループ行動の時はそうはいかず、皆で集合写真を撮ったり、戦争体験でお話ししてくださった方の纏めノートを作ったりと嫌でも会話はしなければならない。
私は移動の時だけ徹底して貝になった。
私の態度に気付いた白井くん。
今日の日程がすべて終了し、ホテルに到着した時、
「立花さん、ごめんって。ちょっとイタズラしただけじゃん」
「・・・。」
「立花さんってば。怒ったならごめん。反省してます」
私はチラっと白井くんの顔を見上げると、白井くんは両手を顔の前で合わせてごめんのポーズを取っている。
もういいか。こんなんじゃ修学旅行も楽しくないもんね。



