はじめてのカレカノ

「上がって」

私は玄関から先には入ってはいけないような気がして、首を横に振った。

「話ならここで聞きます」

私がそう言った瞬間、

翔は私を玄関の扉まで押しやると、両手を扉に『バンッ』と付き、私は翔と扉の間で身動きが取れなくなった。

「結月、どうして携帯に出なかった？あのメールは何？」

翔の声が冷たい。初めて聞く冷たい声。翔が怖くて言葉が出てこない。

「説明してよ。俺、意味がわかんねーよ」

「なぁ、結月」

「話せって言ってるだろ！」

翔はもう一度『バンッ！』と手を玄関の扉に強く打ち付ける。