「離してください、私行きません」

「今更何言ってんの?男探してたんでしょ?なら俺が付き合ってやるよ」

怖い、怖い、怖い

「翔! 翔、助けて!翔・・・イヤだってば」

その手を振り解こうと力を入れても男の力には敵わない。

周りの人たちは男女間の痴話喧嘩だとでも思うのだろう、誰も助けてはくれなかった。

知らない男に掴まれている腕が痛いのか、翔の事で胸が痛いのか、もう分からなくなっていて。

悔しくて涙が溢れる。

「やめてください!やめて・・・離してっ」