ダメだ、涙が溢れてくる。

翔の気持ちを聞けた嬉しさと、昨夜の翔と岡崎先輩の仲良さそうな後ろ姿。

どれが本当の翔なのか混乱するよ。

「あ、の。私、そろそろ行かないと・・・。」

「あら、引き留めちゃってごめんなさいね。お話を聞いてくれてありがとう。またお会いできるといいわ」

私は急いで立ち上がり、「お大事にして下さい」と深くお辞儀をして、翔のお母さんの病室から出て行った。

病室の扉の所ですれ違った男の人と目が合ったので、会釈をして病室を後にした。

「お母さん、今の子は?翔の見せてくれた写真の子に似ていなかったかい?」

「ええ、あなた。あの子は翔の大切な子よ。結月さん」