「あの、私。えっと・・・。」

言葉に詰まる私にお母さんは、そこの椅子に座るよう促した。

「丁度よかったわ。私、暇しててね。少し話し相手になってくれると嬉しいわ」

そう言ってニコニコと私に微笑む。

私は手に持っていた花束とミカンをお母さんの脇にある棚にそっと置いてから、椅子に腰かけた。

「私、ち、違うんです。あの、いえ、違わないんですけど、違うんです・・・」

もう緊張しすぎて支離滅裂なことを言っていて。下を向くしかなくって。

「ふふっ、大丈夫よ。あなたは誰かのお見舞いに来たけど、暇なおばさんに捕まってしまって、ここに座っているんでしょ」

「・・・・。」