口を開いたのはお母さんで、

「そんな関係だったの、あなた達。私ったら全然知らなかったわ。それなのに私、翔くんに、翔くんが結月の彼氏だったらいいのにねーって言ってたじゃないの。恥ずかしい。翔くん、早く言ってよ、もう」

「ずっとおかみさんにそう言ってもらってて、凄く嬉しかったんですよ、俺。でも、結月が全然俺のこと気付いてくれなくて」

私はぷぅ~っと頬を膨らませて小さい声で呟いた。

「なんか私だけ蚊帳の外にいる気分」

それからお父さんにも

「翔くん、結月をよろしくな」

なんて言われて、嬉しいやら恥ずかしいやらで、急いで店を後にした。