「ねぇ、なんで?なんで高槻先輩がここに居るの?」

「あら、結月は翔くんと知り合いなの?なら話は早いわね」

お母さんがポカンとしている私の肩を掴むと、高槻先輩の隣に私を座らせて私と高槻先輩のことを交互に見た。

「せ、先輩、頭が追い付いていないんですけど。ここに先輩が居るのも、お母さんが翔くんって呼んでるのも」

「ずっと内緒にしててごめん。4月からここでバイトさせてもらってるんだよ」

「えっ、そんなに前から?」

お父さんとお母さんがバイトの学生が来てくれるようになったから楽になった、とは言ってたけど。

そのバイトさんが高槻先輩だったの?

お父さんとお母さんは高槻先輩と私が知り合いだって知らなかったから“バイトの学生さん”としか言わないのは分かるよ。

でも、陽人も知っていたみたいじゃない。