友哉くんは腕時計をチラっと見て、 「もう俺は帰るけど、結月さんは涙を止めてからお店を出てね。俺は明日からいつもの友哉になるから。結月さんもいつもの結月さんになって」 また涙が込み上げてきた。 そう言って店を出て行く友哉くんの後ろ姿を目で追うと、友哉くんと入れ違うように高槻先輩がお店に入ってきて。 二人は一言も話さず、すれ違ったように見えた。