「結月さん、お願いがあるんだけど。あの先輩の携帯に電話してくれない?」
「どうして?」
「俺なりのけじめをしたいから。電話繋がったら俺に代わってくれる?」
「う、うん、分かった」
高槻先輩の携帯に電話すると、数回コールの後に先輩が出て、
「先輩、ちょっと待っててください」
そう言って電話を友哉くんに渡すと、友哉くんは話ながら席を立った。
私からは何を話しているのか聞こえなくて、少し不安になる。
友哉くんはすぐに戻ってきて、
「携帯ありがとう。それから早く泣き止んで。俺じゃ結月さんの涙を拭いてあげることができないんだよ」
どこまでも、どこまでも優しい友哉くん。



