なんて切り出そう、と思っていると先に口を切ったのは友哉くんで、
「俺ね、クラスマッチで結月さんが大玉に乗っかって転がったのを見て、すぐに駆けて行ったんだ。でも俺がそこに着く前にあの先輩がなりふり構わず大声で結月さんの名前をずっと叫んでいるの。クールな先輩だと思ってたから俺、びっくりしちゃってさ。向かっている足が止まったよ。その場面を見ていた誰もがそう思ったんじゃないかな」
「えっ、そんなことがあったの?私、知らない」
「それで人目も気にすることなく結月さんを抱きかかえて保健室に連れてっちゃって。陽人ですら見てるだけしかできなかった」



