木の陰でもの思いに浸っていると、 「結月さーん!どこにいるの?」 離れた場所から、私を呼ぶ声。 私のことを“結月さん”と呼ぶ人は一人だけ。友哉くんだ。 「結月さん、みっけ」 「友哉くん・・。」 「もう、ずっと探してたのにどこにも居ないんだもん」 「ごめん、何かあった?」 「陽人も探してるよ。陽人が弁当無いって」 ハッ!!そうだった!今朝は陽人がクラスマッチの準備のために早く学校へ行くことになっていたから、私が陽人のお弁当も持ってきてたんだ! うわー、陽人ごめん。