はじめてのカレカノ


その前を通らなければ教室には向かえないのに。

近くになんて行けない。

その二人から隠れるように、裏庭に立つ大きな木の裏で、動けずにいた。

岡崎先輩が持ってきたお弁当を仲良く食べるって。

付き合っていないならそんなことはしないよね。

あの二人はやっぱりそう言う関係なんだ。

高槻先輩から返事を聞くまでもなかったな。

何分くらいそうしていただろう。

未菜やともちゃんたちからメールが届いた。

『結月、どこにいるの?教室でお弁当食べよう』

心配してるよね。バスケの試合途中で居なくなったからね。

『ごめん、おなか痛くてずっと体育館のトイレに籠ってた。先に食べてて。すぐ教室行くね』

皆に嘘をついてしまった。

『わかった。無理しないでね』