「落ちぶれた貴族の放蕩息子とかが、金目当てで大店のお嬢様を無理やり嫁にしようとする可能性も考えられますわよね?……私が騙されて恋に盲目になってしまう可能性もありますでしょう?」
「そ、そうですわ、ロッテンさん。リリィー様は、恋愛経験に乏しく、悪い人に騙されないように細心の注意を払うべきですわ!」
メイシーが私の援護をしてくれる。
「山賊の頭領とかに、お嬢様が騙されてもいいんですか!」
って、メイシー……それは望むところだからね!
「それに、ほら、ロッテンさん、奥様が……ね?」
メイシーは言葉を濁して何かをロッテンさんに伝えようとした。
ん?お母様が何?
ロッテンさんは、隣の建物に視線を向け、ふぅっとため息を一つついた。
「いいでしょう」
やった!
「ただし、お嬢様はあくまでも公爵家のご令嬢です。住む場所は、ロゼッタマノワールの2階。お店の営業は日が昇っている間だけ。週に3日はダンス、教養、マナーなど公爵令嬢として必要なことを学んでいただきます」
「は、はい……」
そうでした。ロッテンは侍女頭兼、私の教育係でした……。しかも、鬼教師。ぐええー。
しゅんっと首を垂れた私に、メイシーが同情の視線をよこす。
「メイシー”お嬢様”も子爵家のご令嬢として、レッスンはリリィー様とご一緒していただきます」
メイシーも、首を垂れた。
「では、早速見てまいりますわ!」
2年という期限があるのだ。落ち込んでばかりいられない!
くるりとロッテンさんに背を向け、ロゼッタマノワールの右隣の店へと向かう。私の後ろをメイシーが付いてくる。
「リリィーお嬢様、常に護衛と供に行動すること、守れますね?それから、メイシーにはお嬢様のお部屋を整えていただきます」
あはは。じゃぁ、またあとでね~と、小さく手を振りメイシーと別れる。
ロゼッタマノワールの右隣りの建物。見た目は通りの他の建物と大差がない。石造りの2階建て。2階には通りに面して小さな窓が2つ。1階は中央に両開きのドアがあり、その両サイドに鉄格子のはまったガラス窓がある。窓は光取り目的のようで、透明度が悪く中が見えない。
一方、ロゼッタマノワールは透き通ったガラス窓で中の様子が良く見えた。鉄格子には蔦や葉を模した意匠が施されている。店構えまでお金がかかってるよね。
ぎぃーっと少しだけ音を立ててドアを開く。
「そ、そうですわ、ロッテンさん。リリィー様は、恋愛経験に乏しく、悪い人に騙されないように細心の注意を払うべきですわ!」
メイシーが私の援護をしてくれる。
「山賊の頭領とかに、お嬢様が騙されてもいいんですか!」
って、メイシー……それは望むところだからね!
「それに、ほら、ロッテンさん、奥様が……ね?」
メイシーは言葉を濁して何かをロッテンさんに伝えようとした。
ん?お母様が何?
ロッテンさんは、隣の建物に視線を向け、ふぅっとため息を一つついた。
「いいでしょう」
やった!
「ただし、お嬢様はあくまでも公爵家のご令嬢です。住む場所は、ロゼッタマノワールの2階。お店の営業は日が昇っている間だけ。週に3日はダンス、教養、マナーなど公爵令嬢として必要なことを学んでいただきます」
「は、はい……」
そうでした。ロッテンは侍女頭兼、私の教育係でした……。しかも、鬼教師。ぐええー。
しゅんっと首を垂れた私に、メイシーが同情の視線をよこす。
「メイシー”お嬢様”も子爵家のご令嬢として、レッスンはリリィー様とご一緒していただきます」
メイシーも、首を垂れた。
「では、早速見てまいりますわ!」
2年という期限があるのだ。落ち込んでばかりいられない!
くるりとロッテンさんに背を向け、ロゼッタマノワールの右隣の店へと向かう。私の後ろをメイシーが付いてくる。
「リリィーお嬢様、常に護衛と供に行動すること、守れますね?それから、メイシーにはお嬢様のお部屋を整えていただきます」
あはは。じゃぁ、またあとでね~と、小さく手を振りメイシーと別れる。
ロゼッタマノワールの右隣りの建物。見た目は通りの他の建物と大差がない。石造りの2階建て。2階には通りに面して小さな窓が2つ。1階は中央に両開きのドアがあり、その両サイドに鉄格子のはまったガラス窓がある。窓は光取り目的のようで、透明度が悪く中が見えない。
一方、ロゼッタマノワールは透き通ったガラス窓で中の様子が良く見えた。鉄格子には蔦や葉を模した意匠が施されている。店構えまでお金がかかってるよね。
ぎぃーっと少しだけ音を立ててドアを開く。


