やだっ!もし、アルが傷ついたらっ!と思った次の瞬間には、手下3人は膝をついていた。
うわっ、強い!というか、手下が弱すぎ?
「公文書偽造は重罪だ。違うというなら、出る場所へ出て、無実を証明するがいい」
「いや、待ってくれ、」
ゴーシュが腰を抜かしてしりもちをついた。
「公文書偽造が違うと証明できたとしても、詐欺罪、脅迫罪、暴行罪、器物損壊罪、殺人教唆は言い逃れできない。被害届はしっかりと出させてもらう」
騒ぎを聞きつけた街の警邏が手下とゴーシュを縛り上げ連れて行った。
「ありがとう、リリィーちゃん……」
私の手を取り感謝を述べるドナさん。その手は小刻みに震えていた。
「でも、ジョンが字を覚えたのは……」
借用書に書かれていた日付は3か月前。ジョンが文字を覚えたのは昨日。借用書が作られた日にジョンは文字を書くことなどできなかった。
だから、私は”カマをかけた”のだ。
「借用書が本物だとしたら、ゴーシュはこういったハズよ『嘘だ、借用書を作った時には文字が確かに書けなかったはずだ』と」
■18
パン屋を後にして、食事をした。
デザートが美味しい店だと楽しみにしていたのに、口に運ぶデザートの味がしない。
心がざわめいていて、何を食べても、味が分からない……。
「アル……ジョンさん……文字が書けないと、ゴーシュみたいな悪い人には勝てないの?」
今回は運よくジョンさんは騙されずに済んだ。
「ゴーシュみたいな、文書を偽造してまで人を騙す人間は少ないでしょう。ですが……相手が文字を読めないことをいいことに、だます行為はよくあるようです」
ごくんと、味のしない食べ物を無理に飲み込む。
「例えば”1か月10セントあげる”という表現で『1か月で10セントを差し上げる』という意味だと勘違いさせて契約を結び、後から『1か月で10セント値上げする』という意味だと知らされたとか……」
「でも、それって騙してるようなものでしょ?その契約書は無効にならないの?」
アルが首を横に振る。
「契約書にサインする前に、必ず確かめることがあるんですよ。『この書類で分からないことがありませんか?理解しましたか?』と。分からないことがあれば質問してくださいと。その時確認しなかった方が悪いと言われて、泣き寝入りする人も多いんです」
……ひどい。
うわっ、強い!というか、手下が弱すぎ?
「公文書偽造は重罪だ。違うというなら、出る場所へ出て、無実を証明するがいい」
「いや、待ってくれ、」
ゴーシュが腰を抜かしてしりもちをついた。
「公文書偽造が違うと証明できたとしても、詐欺罪、脅迫罪、暴行罪、器物損壊罪、殺人教唆は言い逃れできない。被害届はしっかりと出させてもらう」
騒ぎを聞きつけた街の警邏が手下とゴーシュを縛り上げ連れて行った。
「ありがとう、リリィーちゃん……」
私の手を取り感謝を述べるドナさん。その手は小刻みに震えていた。
「でも、ジョンが字を覚えたのは……」
借用書に書かれていた日付は3か月前。ジョンが文字を覚えたのは昨日。借用書が作られた日にジョンは文字を書くことなどできなかった。
だから、私は”カマをかけた”のだ。
「借用書が本物だとしたら、ゴーシュはこういったハズよ『嘘だ、借用書を作った時には文字が確かに書けなかったはずだ』と」
■18
パン屋を後にして、食事をした。
デザートが美味しい店だと楽しみにしていたのに、口に運ぶデザートの味がしない。
心がざわめいていて、何を食べても、味が分からない……。
「アル……ジョンさん……文字が書けないと、ゴーシュみたいな悪い人には勝てないの?」
今回は運よくジョンさんは騙されずに済んだ。
「ゴーシュみたいな、文書を偽造してまで人を騙す人間は少ないでしょう。ですが……相手が文字を読めないことをいいことに、だます行為はよくあるようです」
ごくんと、味のしない食べ物を無理に飲み込む。
「例えば”1か月10セントあげる”という表現で『1か月で10セントを差し上げる』という意味だと勘違いさせて契約を結び、後から『1か月で10セント値上げする』という意味だと知らされたとか……」
「でも、それって騙してるようなものでしょ?その契約書は無効にならないの?」
アルが首を横に振る。
「契約書にサインする前に、必ず確かめることがあるんですよ。『この書類で分からないことがありませんか?理解しましたか?』と。分からないことがあれば質問してくださいと。その時確認しなかった方が悪いと言われて、泣き寝入りする人も多いんです」
……ひどい。


