立ち上がって、キッチンへ向かう。キッチンにはもちろんお茶はないので、ロゼッタマノワールへ行って侍女の誰かに頼むのだ。
「ああ、リリィー、俺が行く」
エディが先に階段に足をかけた。そして、中ほどまで階段を上ると、振り返った。
「リリィーの紅茶は蜂蜜入り?」
「いいえ、ミルクでお願いします」
いつもはアルが運んでくれるお茶を、今日はエディが運んでくれた。
お菓子をつまみながらエディとお茶をいただく。
残念ながら、お菓子はシナモンクッキーではなかった。今度リクエストしてみようっと。
「そういえば、エディ、代読屋はずいぶん忙しそうね。メイシーが一週間先まで予約が入っていると言っていたけれど……」
オープンした日は同じなのにこの差は一体なんだ。
「オープンの挨拶の手紙を送ったからな。思った以上に効果があった」
「え?挨拶の手紙?何それ?」
効果があったんなら、代筆屋もそれすればいいんじゃないのっ?!
「代読屋をオープンすることと、手紙や本などなんでも読みますとメニューと料金を書いたものを送ったんだ。領都の上流階級と接点がある人々や、商人……それなりのお金を持っている人にね」
「それだけ?」
「ああ、それだけだ。元々、お金を持っている層には一人や二人は文字が読める人間はいるからな。手紙を読んで興味をもってくれたみたいだ。仕事を依頼してくれる方は、目が疲れて長時間文字を読むことができなくなったご老人が多い。本の朗読、貯まった手紙や書類を読むなど」
へぇーそうなんだ。
確かに、お父様も最近時々文字がかすんで見難くなったと言っていたし、お母様も、手元が見え辛くて刺繍するときは指の感覚に頼ることが多くなったって言ってた。
「王都に比べて、文字が読める人はずいぶん少ないみたいだ。メイシーは難しい言葉もスラスラと読むことができるからとても評判がいい」
うんうん。メイシーも私も、腐るほど本を読んでるから、読むのは得意だよ!
だけど、開店のお知らせの手紙か……。
代筆屋でも真似できないかと思ったけれど、そもそも文字の読み書きができない人のための店だもんなぁ。
看板の文字さえ、読めないと言われたんだ。当然、手紙を出しても読めるわけがない。……真似するのは無理というか、無駄だよね。
「その噂を聞いて、今では手紙を出していない人からも依頼が舞い込むようになった」
「ああ、リリィー、俺が行く」
エディが先に階段に足をかけた。そして、中ほどまで階段を上ると、振り返った。
「リリィーの紅茶は蜂蜜入り?」
「いいえ、ミルクでお願いします」
いつもはアルが運んでくれるお茶を、今日はエディが運んでくれた。
お菓子をつまみながらエディとお茶をいただく。
残念ながら、お菓子はシナモンクッキーではなかった。今度リクエストしてみようっと。
「そういえば、エディ、代読屋はずいぶん忙しそうね。メイシーが一週間先まで予約が入っていると言っていたけれど……」
オープンした日は同じなのにこの差は一体なんだ。
「オープンの挨拶の手紙を送ったからな。思った以上に効果があった」
「え?挨拶の手紙?何それ?」
効果があったんなら、代筆屋もそれすればいいんじゃないのっ?!
「代読屋をオープンすることと、手紙や本などなんでも読みますとメニューと料金を書いたものを送ったんだ。領都の上流階級と接点がある人々や、商人……それなりのお金を持っている人にね」
「それだけ?」
「ああ、それだけだ。元々、お金を持っている層には一人や二人は文字が読める人間はいるからな。手紙を読んで興味をもってくれたみたいだ。仕事を依頼してくれる方は、目が疲れて長時間文字を読むことができなくなったご老人が多い。本の朗読、貯まった手紙や書類を読むなど」
へぇーそうなんだ。
確かに、お父様も最近時々文字がかすんで見難くなったと言っていたし、お母様も、手元が見え辛くて刺繍するときは指の感覚に頼ることが多くなったって言ってた。
「王都に比べて、文字が読める人はずいぶん少ないみたいだ。メイシーは難しい言葉もスラスラと読むことができるからとても評判がいい」
うんうん。メイシーも私も、腐るほど本を読んでるから、読むのは得意だよ!
だけど、開店のお知らせの手紙か……。
代筆屋でも真似できないかと思ったけれど、そもそも文字の読み書きができない人のための店だもんなぁ。
看板の文字さえ、読めないと言われたんだ。当然、手紙を出しても読めるわけがない。……真似するのは無理というか、無駄だよね。
「その噂を聞いて、今では手紙を出していない人からも依頼が舞い込むようになった」


