婚約破棄3回された公爵令嬢の代筆屋

「現在の第一王子の年齢を考えると、一刻も早く側室を迎えられるようにと、陛下が退位される可能性があるということでしょうか」
 ロッテンさんがメイシーの答えに丸を示した。
 そっか。
 何も死ぬまで王位にしがみつくことも無いんだ。確かに、陛下はあと10年は余裕で生きそうだもんなぁ。そうすると第一王子も50歳か。50歳から側室と子作りは大変そうだもんなぁ
「ということは……リリィー様が側室の可能性が?!」
 は?
 いやいや、側室候補なんていくらでもいるでしょうよ!
 何で私!何で私なのよっ!
「適齢期の女性で、家柄も申し分なく、王家に嫁げるだけの十分な教育を施された女性……」
「ええー、やだ、やだよ!第一王子は嫌いじゃないけど、年が離れすぎてるし、側室なんて2番目とか3番目の女じゃないっ!私だけを愛してくれる人と結婚したいよっ!そ、そうだ、メイシー、メイシーが側室になればいいんじゃないかな?適齢期のだし、私と一緒に教育受けてるし、家柄が問題っていうなら、伯爵家とか侯爵家の養女になってから嫁げば問題ないよね?」
「リリィー様、私も嫌ですっ。位の低い側室なんて、他の側室の格好のいじめの的じゃないですか!いじめで済めばいいですよ……妊娠が発覚したら暗殺とかされちゃうかもしれないじゃないですか!」
「そ、そうね、じゃぁ、公爵家の養女になればいいわ!えっと、私の方が誕生日が早いから、私の妹、そう、私の妹になればいいわ!」
「ウォッホン」
 ロッテンさんの怒気を含んだ咳払いに、私とメイヤーは口をつぐんだ。
「リリィー様、メイシー様に限らす、全ての未婚の適齢期の女性に可能性があります。ですから、今後は側室になった時のための学習内容も含むことにいたします」
 げー。勉強することが増えるの?っていうか、側室になった時の学習ってなんだ?
「暗殺対策も含め、正妃や他の側室との付き合い方を学んでもらいます」
 暗殺、マジであるのかよっ!
 私もメイシーも小説の中だけの話だと思って軽く見てた。
 やだ、側室怖い!
 一刻も早く婚約者をゲットしなくちゃ!さすがに、婚約者のいる女性は対象外だよね?
 青ざめる私とメイシーを相手に、ロッテンさんが淡々と、臭いのある毒物の説明を始めました。マジ怖っ!

 いつもと同じ朝。
 アルの部屋にはアルの代わりにエディがいた。