婚約破棄3回された公爵令嬢の代筆屋

 お店はそれぞれ5日ずつ営業することにして、休みをずらしてローテーションを組むことになった。
 代筆屋:アル  アル  エディ  アル  アル  休日
 代読屋:エディ エディ 休日   エディ エディ 休日 
「うん、いいんじゃない?代筆屋が休みの日でも、アルには護衛してもらわないといけないものね。そうすると全然休みが取れないから、エディが代筆屋に1日来てくれれば、その日に休めるわよね?」
 代読屋開店は決定事項になった。
「あ、従業員宿舎なんだよね?住んでる人の許可がいるね……」
「もちろん、許可しますよ」
 ん?エディが住んでるんだ。



 代読屋の料金は手紙1枚1セインと激安になった。
 だってさ、ラブレターを受け取れば受け取るほどお金がかかるシステムっておかしいよね。
 そうそう、代筆屋で代読屋の料金先払いチケットも用意することにした。ラブレターを受け取った人の金銭的負担がないようにね。
 それにしても、1セインじゃ代読屋がもうからないんじゃないかと思ったら「代読」を希望する人は多いから大丈夫だとエディが言った。
 何でも、富豪のご婦人に本を朗読する仕事というのがあるらしい。主にメイシーが担当になるそうだ。
 相手は富豪だし、本1冊の朗読なので料金は3時間までで読める分量で300セイン。銀貨3枚だ。
 高いっ!と思ったけれど、ラブレター1枚1セイン、本1冊300ページ300セインなら、高くない。

 さて、開店から3日経ちました。
 閉店後、私の部屋で本日の店舗報告。私とメイシー二人だけのね。
 二人だけなので、メイシーは侍女じゃなく親友モードです。
「うふふふ。今日は領都で1,2を争う商会会長夫人に本の朗読してきたんだけどね」
 メイシーがやけににやけた顔をして報告してくる。
「えー、何、何、何?」
「蔵書がすごかったよっ!読んだことのない本もいっぱいあったの。今日はそのうちの一つを朗読したんだけど、途中で涙が出ちゃって、上手く声が出せなくなって……申し訳ありませんって顔を上げたら、夫人もハンカチで涙をぬぐってたの。それで、二人で涙の原因になった男のダメ出ししてね」
「あー、いいな!いいな!私も代読屋したい!読んだことのない本読みたい!一緒に本の内容を語りたい!」
 やだやだ、メイシーがうらやましすぎるっ!
「リリィーはそう言うと思った。じゃーん」