はぁはぁと息も絶え絶えに、メイシーが階段から下りて来た。
「メイシー、アルに様は不要だ。リリィーが、ここで生活する2年間は身分の上下を排除することを望んだからね」
エディの言葉に、
「ええ、ですが、アル様は……」
「メイシー、リリィーの望みだ。アルと呼んでくれ。それから、お茶を持って階段の上り下りをするのは大変だろう。これからも僕が運ぶよ」
あの階段は、初日にアルが転げ落ちた階段だ。メイシーがお茶を持って転げ落ちる姿を想像して、ぞっとなる。
メイシーは、まだ納得できないという様子を見せた。
「荷運びくらいできないと、男としてかっこ悪いだろう?」
「そうよ、メイシー!小説でもあったじゃない!女性の荷物を持ってくれる男性って魅力的だわ!ね!」
という私の言葉に、ハッとメイシーが息を飲む。
「そ、そうですわね!リリィー様。お茶を運んでくださるアル様……いえ、アルは素敵ですわよね!」
お?
メイシー、アルに惚れたか?
その後、アルが運んできたティーセットを使って、メイシーがお茶を入れてくれた。
4人でテーブルを囲んで、代筆屋の相談。
価格は、紙代込で1枚8セインにした。紙の仕入れ値が2セイン。インクやそのほかの経費もあり、1枚の代筆の儲けは5セイン。
お客が少ないと代筆屋だけで食べていくのは苦しい値段設定だが、元々読み書きができる商人が、店と兼業で代筆屋を営むと考えれば十分な価格ということでこの値段に決まった。
紙をランクアップするなどオプションもいくつか設定する。
「これで、準備は整ったね」
と、アルが満足そうに頷いた。
「あ、だめだ。まだ問題が残ってる」
忘れるところだった。
「問題?何か見落としたか?」
エディが、色々と書き留めた紙を見直す。
「いえ、代筆屋の開店準備はいいんですが……」
昨日食堂でおっちゃんが言っていた「読めない」問題……。
どうしたものか……。
「そうだ!」
エディの手を取る。
「エディには商才があるもの、店を運営するくらいどうってことはないわよね?」
手を握られたエディが、一瞬息を飲む。
「もちろん。俺はどんな境遇になろうとも、生活できるだけは稼ぐ自信が」
エディの言葉を遮って、私は口を開いた。
「それから、ロゼッタマノワールはやめたのよね?だったら、新しい店を始めても問題ないわよね?」
「メイシー、アルに様は不要だ。リリィーが、ここで生活する2年間は身分の上下を排除することを望んだからね」
エディの言葉に、
「ええ、ですが、アル様は……」
「メイシー、リリィーの望みだ。アルと呼んでくれ。それから、お茶を持って階段の上り下りをするのは大変だろう。これからも僕が運ぶよ」
あの階段は、初日にアルが転げ落ちた階段だ。メイシーがお茶を持って転げ落ちる姿を想像して、ぞっとなる。
メイシーは、まだ納得できないという様子を見せた。
「荷運びくらいできないと、男としてかっこ悪いだろう?」
「そうよ、メイシー!小説でもあったじゃない!女性の荷物を持ってくれる男性って魅力的だわ!ね!」
という私の言葉に、ハッとメイシーが息を飲む。
「そ、そうですわね!リリィー様。お茶を運んでくださるアル様……いえ、アルは素敵ですわよね!」
お?
メイシー、アルに惚れたか?
その後、アルが運んできたティーセットを使って、メイシーがお茶を入れてくれた。
4人でテーブルを囲んで、代筆屋の相談。
価格は、紙代込で1枚8セインにした。紙の仕入れ値が2セイン。インクやそのほかの経費もあり、1枚の代筆の儲けは5セイン。
お客が少ないと代筆屋だけで食べていくのは苦しい値段設定だが、元々読み書きができる商人が、店と兼業で代筆屋を営むと考えれば十分な価格ということでこの値段に決まった。
紙をランクアップするなどオプションもいくつか設定する。
「これで、準備は整ったね」
と、アルが満足そうに頷いた。
「あ、だめだ。まだ問題が残ってる」
忘れるところだった。
「問題?何か見落としたか?」
エディが、色々と書き留めた紙を見直す。
「いえ、代筆屋の開店準備はいいんですが……」
昨日食堂でおっちゃんが言っていた「読めない」問題……。
どうしたものか……。
「そうだ!」
エディの手を取る。
「エディには商才があるもの、店を運営するくらいどうってことはないわよね?」
手を握られたエディが、一瞬息を飲む。
「もちろん。俺はどんな境遇になろうとも、生活できるだけは稼ぐ自信が」
エディの言葉を遮って、私は口を開いた。
「それから、ロゼッタマノワールはやめたのよね?だったら、新しい店を始めても問題ないわよね?」


