はやく俺のこと好きになってよ

「言ったの!!」


「いつ?」


「…幼稚園の時よ!!!」


「「……よ、ようち、えん…」」


まさかのそんな小さい時ですかっ…。

いやいや、バカにしているわけではないよ?

ただ……


「んな、小さい時のこと覚えてるわけないだろ」


…だよね。

忘れんぼうの壱だもん…。

今日だって宿題忘れてたのに…。


「くっ…!ひどいわ、壱くん!!」


「ごめんな。やっぱり全然覚えてないわ」


蘭ちゃんは涙目だ。そりゃあそうだよね…。

久しぶりに会った人がこうなってるんだもんね。


「……諦めない……」


「ん?なんか言った?」


壱が聞き返すと蘭ちゃんは、


「絶対に!!諦めないからね!!!」


そう言って、自分の席に戻って行った。