はやく俺のこと好きになってよ

「へ!?な、何してんの!?壱!!」


「何って…蒼をおぶって保健室まで行こうと…」


「な!!そんな事しなくていい!!」


目立つでしょ!?

ただでさえ、壱のファンに殺されかけて毎日生きているのに!


「はやく乗れよ、蒼」


「いいってば!具合も悪くないし!!」


むしろ、はやく壱がどっか行ってくれた方が治るんだけど!!


「あーもう。じゃあ、こうするわ」


そう言って立った壱。

私の方を向いてどんどん迫ってくる。


「ちょっ、壱!!」


ドンッ


後ろに下がって行ったら壁にぶつかった。


何〜!?壱が怖いよ〜!!


「行くぞ」


「え?……わっ!!!!」


ヒョイッ


って私の体を持ち上げた壱。

体勢は…いわゆる、お姫様抱っこというもの…。