はやく俺のこと好きになってよ

…そうかもしれない。

由那には心配させたくなかったから、先輩のこととかも言ったことがなかったし。


「…壱はいいやつだよね」


「ふふっ。山本は、蒼思いでいいやつだよ」


「うっ…」


由那にはバレてるのかな…。

私の心がちょっと動き始めている事。


「あ、蒼!始まるよ!」


由那の声を聞いて私は校庭へ目を向ける。


「よーい、どん!!」


「「「きゃーーーーーー!!!♡♡」」」


見ると壱と類がおんなじレーンで走り始めた所だった。


「わ、2人ともすごい人気だねぇ」


由那が感心した声で言う。


壱も類もお題が書いてある紙へダッシュしてる。

その姿でさえかっこいい2人。


…様になるなぁ…。


そう思ってたら、2人がどんどん大きくなって見えてきた。

あれ?私、移動したっけ??


「「蒼」」