はやく俺のこと好きになってよ

*


由那との二人三脚が終わって。

観客席に戻ってきた。

私の実行委員の仕事はもうないから、あとは全力で応援して、

リレーに出るだけなんだ。


「蒼、そろそろ借り物競走始まるよ」


「う、うん」


「どうしたの?」


由那が私の顔を覗く。


「そういえば、類も借り物競走だったなって思って」


恋愛系の質問が多い借り物競走は類にとっては最悪なんじゃ…。


「さっき言ったじゃん。笑 蒼は責任感強いからなぁ…。
でも、大丈夫だと思うよ。好きな人もいるみたいだしね」


「ええ!?そうなの!?」


女嫌いの類に好きな人!?

その女の子はすごいスタイルいいんだろうな…。(偏見)


「蒼は山本だけ見てればいいじゃん。」


「へ!?な、な、っ!!」


「あはは、照れすぎ!蒼と恋バナなんて初めてかもしれないね」