あの日から最悪な日々が続いた。都会から来たからという理由で事実ではない話を流されたり、物を隠されたりされる毎日が続いた。
 そんなある日のことだった。
 いつものようにゴミ箱に捨てられた教科書を拾っていた。「何してんの?」後ろを振り迎えると同じクラスの奴がいた。
 「なんだよ。」 僕は彼を睨みつけた。どうせまた愚痴愚痴言われると思ってた、すると彼は急に近づいて来ると僕の手を握って話しかけてきた。「友達になってやるよ。」意味がわからない、なんで、どうして、そんな言葉が駆け巡った。

 「俺は一ノ瀬翔(いちのせかける)、とりあえず片付けてコンビニでも行くか。」
 
 コンビニでアイスを買って公園のベンチで食べることにした、今日は体が溶けるんじゃないかと思うほどの暑さだった。一ノ瀬はこんな暑い日なのに肉まんを食べている、コイツヤバいやつだ、そんな事を考えていた。すると急に視界が開けた気がした。眩しい。
 「古屋って綺麗な目してるよな」一ノ瀬が僕の前髪を上げていた、「やめろよ」おもわず一ノ瀬に手元にあった水をかけてしまった。すると一ノ瀬は急に笑いはじめて「お前って面白いな笑」とお腹を押さえながら笑ってた。
なんだか一ノ瀬を見ていると楽しい気持ちになってきた。