水縹色(みはなだいろ)の春【2】

「うわぁ〜みお見て見て!初雪だよ〜。」

「本当だぁ〜!」

教室の窓からチラホラと雪が降っているのが見える。

今年はいつもより早めに初雪が降った。

「みお〜、先輩が廊下で呼んでるよ?」

友達が廊下を指さした。

言われたとおり廊下に出ると、知らない男子がいた。

「あっ、みおちゃん初めまして♪俺2年の谷口って言うんだけど、知るわけ…ないよね?」

んー…。

誰だろ…?

「…あぁ、ごめんなさい。ちょっとわかんないです…。」

「はははっ。初めて話すから無理もないよ〜。実は、初めて見た時からみおちゃんのこと可愛いなって思ってて!」

先輩がどんどん迫ってくる。

迫力が凄い…。

「ゆくゆくは付き合いたいんだけど、まずは俺のこと知って欲しいから、とりあえず連絡先交換しよ!スマホある?」

なにこの先輩…。

めちゃくちゃがっついてくるんだけど。

「いやぁ〜、ちょっとそれは〜。」

「なんでなんで?連絡先交換するだけよくない??」

ちょっとしつこいんだけど!

どうやって逃げよう…。

「ちょっと先輩〜、この子彼氏いますよ!」

「えぇ!?」

かなで君が私と先輩の中に割り込んで、後ろに隠れるように守ってくれた。

「彼氏いるの!?」

かなで君が目で合図する。

「あぁ、実は。」

「そうだったんだぁ〜!俺てっきりフリーだと思ってた。」

そう言って先輩はその場を去っていった。

かなで君のおかげで助かった。

「かなで君ありがとぉ!」

「…ちょっと来て。」

私の腕を掴み人混みの中を歩く。

なんだかいつものかなで君とは違った。

人の気配がない、屋上へと続く階段で止まった。

かなで君は何も喋らずただ私の腕を強く握る。

「…どうしたの?」

はぁっと、深いため息をつかれた。

「俺やっぱりダメだわ。友達続けれそうに無い。」

えっ…?

ショックで言葉が出なかった。

私、何かいけないことしたのかな…。

「俺、みおが好きだ。誰にも取られたくない…。」

「……えぇ!?」

思わず大きな声が出た。

好き…?

誰が?

かなで君がぁ!?…私を!?

「そ、それは、何かの冗談とかって…。」

「冗談じゃないんだけど。」

かなで君は見たこともない真剣な眼差しをしていた。

「だから、友達じゃなくて、友達以上の関係になりたいんだけど、ダメ?」

心臓の音がだんだん早くなる。

私、今凄くときめいている。

「うん…。
…私も、かなで君と特別な関係になりたい。」

「本当?じゃあ今日からみおは俺の彼女だぁ♪」

そう言って私を抱っこしてクルクルと回った。

かなで君の甘い香りがする。

なんだか心がホワホワと不思議な感じがした。

今日から私達はお友達をやめて、彼氏と彼女になる。

私はこの時だいぶ浮かれてたと思う。

これから始まることを、誰も何も予想していなかった。