【完】桜色の君を抱きしめたい

「貴斗、佐伯さんの衣装なんか違くないか?」

「ほんとだ。確か、パーカーだったよな?なんでうさぎの耳なんだ?」

二人は夢花の衣装の変化に気づき、疑問を抱いた。そして最初の場面が始まった。

『うさぎのツバキは森の聞き屋さん。今日も森の動物たちの悩みを聞いている』

ナレーションが終わるとツバキ役の夢花は森のセットの草木からひょこっと出てきた。

緊張します。今までの練習ではなるべく遠くを見て一人のパートを行ってきました。ですが本番は少しでも横を向けば人の目線が入ってきます。

けど、これは本番です。もう、逃げられない。いや、逃げません...!