【完】桜色の君を抱きしめたい

衣装はなんとかなりましたけど、本当の衣装は一体どこに言ったんでしょう。せっかく作ってもらったのに...。切り替えなくちゃ。これから本番なんだから。

ブゥー

ブザーが鳴って幕が上がった。

凪と貴斗はギャラリーでステージを見ていた。

「始まったな」

「ああ。佐伯、俺たちが見ているからな」

「こんにちは〜凪さん、貴斗さん」

現れたのは夏芽。夢花の演劇を見にきていた。

「久しぶりだね。佐伯さんにはもう会ったの?」

「終わってから会おうと思って。それにしても夢花が演劇の主人公をやるなんて」

「やっぱり、トラウマを抱えて以来こういう事には参加しなかったの?」

「はい。あっても裏方ばかりやっていて。その夢花が表の世界に自分から出るって言った時は私、泣きそうでした」

ステージを見つめながら少し涙目になった夏芽。夢花の成長を一番近くで見てきた夏芽にとって、とても嬉しいことだ。