しかし、修道院であれば関係者以外立ち入り禁止であるし、周囲の目も少なくなるから、彼女にとっては救いなのかもしれない。

「エディ。次は何を食べる?」

 エディを抱っこしていたロキースが、皿を指差しながら嬉しそうに問いかけてくる。

 それに苦笑いを返しながらも、エディは嫌と言うことが出来ずに「マカロン……」と答えた。

 ロキースのハニーブラウンの髪からは、相変わらず丸い獣耳が生えている。

 エディとロキースの恋は、まだ成就したわけではないのだ。

 好きという気持ちだけでは駄目なのだろうか。

 どうやったら、ロキースは獣人から人になるのか。

 エディは最近、そればかり考えていた。