待っていましたというように、丸窓が開かれる。

 あそこへ、矢を放てというのだろう。

 エディの技術でも、届くか届かないかといった距離。

「屋敷に入って届けた方が確実なんじゃ……」

「屋敷の中には、魔笛を持ったルタがいるそうだ」

「うわ、面倒な……」

 出来ることなら二度と会いたくない相手が、持っていて欲しくない物を持って待ち構えているなんて。最悪としか言いようがない。

 コソコソと話し合う二人に、チャンスだと思ったエディの父が威勢良く突っ込んでくるのが見えた。

 ロキースはエディから離れると、突っ込んできた父をどっせいと持ち上げた。