翌朝、エディはロキースと共に自宅へ戻った。

 無断外泊を二泊もしていた為、彼女を溺愛する弟は怒り心頭で待ち構えているだろうと思っていたのが、予想外にも二人を迎えたのはエディの両親だった。

 普段男装しているとはいえ、エディは女の子である。

 彼女の両親が心配するのは当然のことだろうと、ロキースは思った。

「ああ、エディタちゃん! 事情はルタさんから聞いているわ。さぞ怖かったでしょうね。でも、もう大丈夫よ。ヴィリニュスの鍵さえあれば、恐ろしい魔獣の手からあなたを解放して貰えるわ」

 ロキースと手を繋いで現れたエディを、彼女の母親が奪い取る。

 そして、呆然としているロキースからエディを隠すように、彼女の父親が立ちはだかった。