それから二時間が経った。

 手を繋いで、ただひたすらに歩いて。
 ロキースが唐突に、「ここだ」と言って立ち止まった。

 隠れるのにちょうど良い低木を見つけて、二人で隠れる。

 木々の隙間から、目的地を覗き込んだ。

「うわぁ……!」

 思わず、エディの口から感嘆の声が漏れる。

 だって、こんな素敵な光景は、初めて見た。

 エディの目に映るのは、一面の花畑。

 秋の空のような、真っ青な色の花が、ずっとずっと向こうまで続いている。

 もしも季節が冬でなく秋だったなら、もっと幻想的な風景になっていただろう。