──ガシャァァァン!

 エディの叫び声といっしょに、ボウルが割れる派手な音が食堂に響き渡った。

「何があったのですか⁉︎」

 音に気付いたエグレが、食堂に駆けつけてくる。

 その後ろからゆっくりと追ってきたミハウは、エディの様子を見て何か気付いたのだろう。エディと同じように目に怒りを滲ませて、ルタを睨んだ。

「なんでもないわ。ちょっと、口喧嘩をしてしまっただけ。ごめんなさいね、エディ。この話は、また日を改めてしましょう」

「二度としたくない」

「……」

 ルタはエグレにニッコリと微笑んで去っていった。

 ミハウの隣を通過した瞬間、彼女は振り返ってエディに微笑んで見せる。

 それは、宣戦布告のような、不敵な笑みだった。