「それで……ご用件は、何でしょうか?」

 ジョージは、懐から出した眼鏡をかけた。

 どうやら、眼鏡はオンとオフを分けるためのものらしい。

 眼鏡に度は入っているのか、いないのか。
 エディはしょうもないことが気になった。

 少女に見えないのを良いことに、ジョージは剣呑な視線をツキツキと向けてくる。

(うぅぅ……おっかない。あんた、魔獣の恋を応援するのが任務(しごと)なんだろ。それなのに、そんな態度で良いわけ?)

 エディはたまらず、ジョージを睨み返した。残念なことに、エディの顔が幼いために、そんなに威力はない。子猫が「ニャア」と爪を立てたくらいの、なんでもない攻撃であった。

 ジョージの態度を知ってか知らずか、少女はニコニコと可愛らしい笑みを浮かべながらロキースの頭上を見つめている。

 視線を感じて、ロキースの耳がくすぐったそうにピクピク動いた。