虚な目は、どこか遠くを見渡しているようでもある。

(もしかして、探してる……?)

 ただ事ではない雰囲気に、エディは押し黙った。

 もしもロキースがヴィリニュスの鍵を探しているのだとしたら、邪魔したくなかったからだ。

 それから何分経っただろうか。

 息を詰めていたエディが、数回目の息継ぎをした頃、ロキースは顔を上げてこう言った。

「エディ。鍵があった」