長閑(のどか)な春のような風景を、エディは不思議そうに眺めた。

「ねぇ、ロキース」

「なんだ?」

 庭先の土を掘り返していたロキースは、エディの声に顔を上げた。

 彼の足元には、作りかけの畑がある。

 庭があるなら家庭菜園でもしてみたら、と軽い気持ちでエディが提案したら、早速作ることにしたらしい。

(こういうの、尽くし系男子って言うんだっけ?)

 確か、リディアはそう言っていたはずだ。

 女の子のお願いやワガママ、無理無茶無謀な命令まで全力で叶えてしまう。それが、尽くし系男子だと。

 〇〇系男子はいろいろ種類がありすぎて、覚えるのが大変だ。エディは興味がないから尚更に。