ギ、と音がして、ロキースがソファに腰を下ろす。その腕には、先ほどはなかったクッションが抱きかかえられている。

 なんだか、抱っこし足りないと言われているようで心苦しい。エディは「そんなわけない」とまた一枚クッキーを頬張った。

 胸は騒々しいまま。治る気配もない。

(一体なにがどうなって、こうなった?)

 ほんの数分前の出来事なのに、抱きしめられたのが衝撃的で吹っ飛んでしまっている。

 サクサクと、ドングリを頬袋に詰め込むリスのようにクッキーを咀嚼しながら、エディは「うーん」と唸った。