魔鳥の一羽も来ない日が続いていた。

 いつもだったら、魔狐や魔兎がちょこちょこ侵入してきていたのだが、全く来ないというのは珍しすぎる。

 前はザワザワと生きているような気配をさせていた魔の森は、この一週間で随分と様子が変わってきていた。なんというか、静かすぎるのだ。

「なんだか、おとなしくなったような……? もしかして、これが鍵の代わりってことなのかな」

 ロキースは言っていた。

 彼が魔の森に住むことで、ヴィリニュスの鍵の代わりになるのだと。

「ロキースのおかげかどうか、今日、聞いてみないと……仮眠から醒めたら、身支度して……お迎えに来てくれるはずだから、一緒に……ふわぁぁ」