ミハイルが穏やかな微笑みを浮かべる。 ひとりの赤ん坊が大人になり父親から王位を奪取するほどの年月を経て、互いに老けた。もう小娘のように泣き喚く事も、誰かの胸に飛び込む事もない。 それでも目頭が熱くなる。 私は、彼と同じように穏やかに微笑んでいるだろう。 王妃の殻を脱いだ、ひとりの女として。