息子のクーデターを陰で支えていたのが、今や元帥にまで上り詰めたかつての恋人ミハイル・アクショーノフだったとは。驚きを越えた驚きと、歓喜を越えた歓喜が、胸の内で吹き荒れた。 「ミハイル」 「おや、お知り合いでしたか」 息子が夫を冷酷に見下しながら、気さくに声をかけてくる。 私はゆっくり、彼に体を向けた。 「これからは王太后アレクサンドラですね、母上」 新しい朝、新しい王が生まれた。