「美味しいかい?」 「ふぁい。おいひぃれす」 「ほらイチゴだよぉ~」 「イチゴッ」 滅多に食べられない大粒のイチゴに、齧り付く。 甘酸っぱい果汁が弾けて、クリームと溶け合って、私も溶けちゃう。 「んんん~っ!」 「うぅ~ん、おぃしぃおぃしぃっ、おぃしぃおぃしぃっ♪」 「んっんっ」 「あなたたち、ここでなにを」 私とケーキと王子は不吉な影に覆われ、顔をあげた。 王妃アレクサンドラが目を剥いていた。