「おっ」 「おっ?」 王子が優しい眼差しで覗き込んでくる。 私はブンブンと首を振った。 「わっ、わかりません! おって言っちゃいました!」 「はは、そうなんだね。うん。少しびっくりさせちゃったよね」 「はい!」 王子にふんわりと抱きしめられて、しばらくじっとしていた。 これは夢!? だって、私なんかにヨハン王子がプロポーズなんて、信じられない!! お…… 「……お父様に」 「うん」 「聞いてみて、夢じゃないかどうか確かめてきます」 「夢じゃないよ」