「置かないわ」 「はい?」 イーリスを愛して、胃袋から幸せにしつつ健康管理をできる夫を、私が探して嫁がせる気でいた。それは当然、愚息ヨハンではなかった。 でも、ヨハンは愚息ではなかった。 そしてイーリスを愛している。 なによりイーリスが、ヨハンを摂取して輝いた。 イーリスの心がいちばん大切だ。 愚息でないなら、いいではないか。 「イーリスを娘にするのよ。ヨハンに爵位を与え、嫁がせる」