「実に喜ばしい事ではありませんか。糖分の過剰摂取が及ぼす人体への害悪についても、理論的に説明すると非常に深い理解を示してくださいました。あなたの血を引いて聡明な王子です」 「そうかもね」 窓辺を離れ宛もなく歩き出す。 「イーリスはモテるかしら」 「それはもう。私の周りでも、すでに声があがっています」 「そう」 「多くの大臣や貴族が、私に下心があると考えているようです。なんといってもイーリス嬢はレントリ卿の一人娘ですからね」