「クロード、ひとつ言っておく。僕はいろんな芸術家と普段過ごしているけど、小太りは温和で長生きだ。王侯貴族のぶくぶく太った痛風連中と可愛い小太りを一緒にするな」

「その小太り芸術家にも餌を?」

「口を慎め」

「失礼。酒や、悍ましい砂糖菓子を与えているのですか? あなたが?」

「酒は創作を妨げる。強請られても、売れたら祝ってやるとつっぱねるさ」

「ふむ。少しリスクは下がりましたね」

「あっ、あの!」


王子の恐い顔にびっくりして、つい声をあげてしまった。


「喧嘩ではなく、検査を……!」

「ああ、そうだねイーリス。もう行くよ」