私は我に返って、王子も私の肩をぽんぽんと叩き、姿勢を正した。 でももう一度、私に触れた。今度は指先で、頬に。 「イーリス、いい匂いだね」 「……」 微笑みが、眩しすぎて……苦しい! 「私は芸術に疎いと自覚しておりますが、あの香りを調合させた殿下の美的センスには脱帽です。イーリス嬢の持つ先天的な雰囲気と性格を、よく表現しましたね。それでいてあどけなさとおつむの軽さを感じさせない上品な香りに」 「黙れ」