「食事は抜いてくださいましたね?」

「ああ、大丈夫だ。昨夜10時以降はなにも口にしていない」

「……」


王妃の用事を片付けようと、城のこっちからあっちへ向かっていたら、あっちからヨハン王子とクロードが歩いてきた。
 

「結構。体調はどうですか?」

「まあ2食抜いたところで死にはしない」

「2食……抜い……た……!?」

「やあ、イーリス」


すれちがい様に王子が足を止め、私の両肩を優しく掴んだ。
そして、おでこにキスを……


「……!」


やだ!
またあのっ、甘酸っぱい気持ちが……っ!!