人差し指に垂らした一滴の香油を、肖像画の痩せた場合の私の首筋あたりにこすりつける。 「ほら」 我ながら名案だ。 王妃に共感してもらおうと期待たっぷりに振り向くと、王妃もだいぶ考え込んでいた。 「……?」 えっと、これ以上は、もう、考えてない。 バジンカ小父さんだけがほくほくと笑顔で頷いてくれた。 クロードが私の横に立ち、肖像画に触れた。そして、美しいらしい痩せた私を見つめた後で、現実の私を見つめた。まるで、初めて会ったような顔をしていた。