王子がふんと鼻を鳴らし、私の手をそっと掬い上げる。 「なっ!」 王妃が目を剥いた。 王子は私の手の甲にそっとキスをした。 「ごきげんよう。僕の、小さな白い花。或いは、お砂糖ちゃん」 「あわっ、あわわ」 そしてスマートに去っていった。 私は胸を押さえ、昂る気持ちに混乱していた。 甘く切ない、この想い。まさかこれは、これは……! イチゴより甘酸っぱいという噂の、恋ッ!? 「ヨハン……」 王妃が王子の背中を見つめ、その名を呟いた。