王子が手首の内側にチョンと香油をつけ、こすって広げ、その部分を左右の耳の後ろにこすりつける。そして私に小瓶を渡すため、またぐっと体を折って、顔を寄せてきた。 ふわぁ~ 「はわぁ~……」 とてもいい匂いで、つい、王子の首元をくんくんしてしまう。 「どうだい? いい香りだろう?」 「はい……素敵な香り……」 「僕にとって君は、甘く香る小さな白い花」 「はい……」 「おっほん!」 「ひっ!」 王妃に、見つかってしまった。