ぽっちゃり令嬢に王子が夢中!



背の高い王子が体を折って、右から左から下から私の顔を眺めてくる。
見目麗しい王子のおかしな動きに焦って、私も避けて避けて避けまくっているうちに、裾を踏んずけてコケた。


「きゃっ」

「大丈夫かい?」

「あ……っ」


太り気味の私を軽々と支えて、王子がついに正面から私を見つめた。


「~~~っ」

「イーリス」

「!」


甘いケーキや焼き菓子とはまったく違う、胸のトキメキ。

どくん、どくん、どっくんどっくん、……


「これが……心筋梗塞……っ!?」

「そうか、イーリス。あの医者に脅されていたんだね」

「え……?」