私の宮廷に平和が戻った。 「私の可愛い、白い花……」 イーリスが頑張って働いている。 政務官レントリ卿からの預かりものという以上に、イーリスは心のオアシスだ。 正直、あの子がカゴひとつ右から左へ移すだけで溜息が洩れる。 イーリスは平和の象徴なのだ。 「……」 私は政略結婚で敵国に嫁いだ、いわば人質王妃だった。